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Fantasia

     1977年に刊行されたブルーノ・ムナーリの『ファンタジア』は、デザインやアートを学ぶ多くの者にとっての座右の書です。
     偉大なデザインの先生であったムナーリは、この本を通して、世界をよく観察することの大切さと世界を面白くする視点の持ち方を、やさしい言葉で教えてくれます。
     DESIGN SOILの2018年のテーマは「ファンタジア」。
     没後20周年を迎える「ムナーリ先生」に敬意を表し、日常の観察から生まれた作品たちを『ファンタジア』の章立てに沿って紹介します。

     ―五線譜のランプシェード UN PARALUME FATTO CON CARTA DA MUSICA
     ―広場のベッド IL LETTO IN PIAZZA
     ―モノからモノが生まれる DA COSA NASCE COSA
     ―創造力を刺激する STIMOLAZIONE ALLA CREATIVITÀ

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  • Cuff

    floor light
    Ryohei KAISAKU 櫂作涼平

    Size: w.380 x d.270 x h.1,450
    Material: Steel, White Ash, Fabric

    シャツの袖口を捲り上げる行為を照明のシェードに転用すると、フィジカルな操作で調光できる愛嬌のある照明器具が生まれました。

  • Hemming Way

    stool
    Tsukiko FUKUI 福井月子
    Size: w.530 x d.340 x h.480
    Material: Wooden Frame, Urethane Foam, Fabric, Ash

    ロールアップしたズボンの裾は、まるでポケットのようです。Hemming wayは、カバーを好きな深さにロールアップして、便利なポケットとして使えるスツールです。

  • Grove

    basket
    Mayuko MATSUMURA 松村茉由子
    Size: φ380 x h.890
    Material: MDF, Stainless Steel

    細い線材を円筒状に並べて立て、捻るように倒すと優美な曲面が生まれます。この造形が持つ美しさや不思議さを味わうために、家具スケールに巨大化させました。

  • Sinking Man

    bean bag chair
    Risa TANABE 田邊莉沙
    Size: φ800 x h.500
    Material: Plywood, Ash, Tricot, Polystyrene Foam Beads, Elastic Cord

    ビーズクッションに座った時の、体が沈み込み包まれる感覚をよりダイナミックなものにすることを試みました。
    大きなビーズクッションが大きな穴に沈み込む構造を作り、深く包み込まれる不思議な座り心地の椅子に仕立て上げました。

  • Quiet

    humidifier
    Yuya KOBAYASHI 小林優也
    Size:φ240 x h.250
    Material: Glass, Organdy

    私たちは人間が定義した単位で時間を刻み認識していますが、本来、時間はシームレスなものであり、時間の単位は他にもあるはずです。
    Quietは、布が吸い上げた水が滴り落ちる装置によって、穏やかな時間の単位を可視化する試みです。自然の法則が生み出す「時間」はおおらかで、見るものに安らぎを与えてくれます。
    2018年 Future Dome Prize 受賞作品

  • Knot to Hang

    hanger rack
    Shiho TANAKA 田中志歩
    Size: w.1,250 x d.450 x h.1,810
    Material: White Ash, Polyester Rope

    ロープには様々な使い方があり、その中で結び目は重要な機能を果たしています。
    Knot to hangは、結び目によってロープを固定したり、ハンガーを掛けるフックの役割を持たせたハンガーラックです。結び方や位置を変えれば、多様な使い方ができます。

  • Orb

    parasol
    Ryo KOTEGAWA 小手川諒
    Size: φ1,220 x h.1,650 (max)
    Material: Teak, Concrete, Polypropylene

    Orb は支柱の向きと角度を自在に変えることができるパラソルです。根元の大きなコンクリート球の重量と、土台との摩擦によって角度を保持します。笠は先端の小さな球に掛けて使います。

  • Wrap-Top

    container
    Naoko MIYATANI 宮谷直子
    Size:
    Low/ w.493 x d.344 x h.150
    Mid/ w.350 x d.296 x h.200
    High/ w.385 x d.374 x h.350
    Material: Ash, Nylon Code

    簾や蛇腹戸は自在に変形でき、巻きつける芯の形をトレースします。容器に転用すると、芯となる底板の形を変えるだけで、様々な形状やサイズの容器を作ることができます。
    板同士を繋いでいるロープは、畳んでまとめる時にも役立ちます。

  • Other Another

    mirror
    Ema KOFUKU 幸福咲実
    Size: w.460 x h.660 x d.50
    Material: Acrylic, Mirror Film

    Other anotherは見慣れた風景を分解して再構成し、幻想的な空間を生み出すオブジェです。
    便利な道具として日常に存在する鏡ですが、本来は神秘的なもの、魔術的なものの象徴として大切に扱われてきたものです。
    この作品は鏡の神秘性を取り戻すきっかけにもなるはずです。
    2018年 Future Dome Prize ノミネート作品

  • Hold Me Tight

    mirror / brush
    Moegi ARASHI 嵐萌希
    Size: 110 x 210 x 40 (each)
    Material: Hard Maple, Mirror, Hog Bristle

    硬い毛のブラシ同士を噛み合わせると、しっかりと固定されることを発見しました。この現象を活かして、ブラシでしっかりと抱き合うような、可愛らしい一対のブラシ付きミラーを作りました。

  • Snugly

    stool
    Hiroki KASHU 加集広樹
    Size: w.637 x d.370 x h.445
    Material: Hard Maple, Plywood, Urethane Foam, Fabric

    穴が空いたトレイを円筒形のスツールにはめ込むと固定され、好みの位置で使えるサイドテーブルとして機能します。

  • Tectonics

    tray
    Yuka MATSUMURA 松村祐佳
    Size: w.450-640 x d.108 x h.30
    Material: Hard Maple, Fabric

    断面が五角形の棒を繋げた蛇腹板は、表と裏で平面と凹凸面が生まれます。
    凹凸面は転がるもの保持でき、噛み合わせることで板をスライドさせるレールの役割を果たします。蛇腹板を畳んだり重ねたりして、トレイの形を多様に変えられます。

  • Scoop

    tray
    Yukiko OSHIMA 大嶋優希子
    Size: w.405 x d.125 x h.170
    Material: Oak, Polypropylene

    穴に平らなシートを入れると、シートは穴に沿って変形します。この変形と反発力によってシートが固定され、十分な強度を持ったトレーとして機能します。

  • Inherence

    flower vase
    Risa TSUCHIHASHI 土橋梨沙
    Size:
    Square/ w.160 x d.60 x h.185
    Circle/ w.160 x d.60 x h.180
    Material: MDF, Felt, Glass

    幾何学が持つ不思議を、花器に落とし込みました。長方形の土台を裏返すと円形に変わります。花の種類や空間に合わせて花器の形を変え、雰囲気を変えることができます。